日本経営監査学会設立趣旨書
近時、企業や団体における不祥事が相も変わらず頻発しており、社会経済において憂慮すべき状態が続いています。企業の不祥事が起こるたびに、監査役改革、委員会設置会社の導入、外部取締役の改革が講じられてきましたが、いずれも防止することができずにいます。公認会計士による会計監査の責務を重くし、会計監査を精緻にしたとしても財務会計の処理にかかわる部分に限定されざるを得ません。会計監査は過去の経営行為に対する財務情報に対して行うものですから限定的なものにならざるを得ません。企業のリスクは、意思決定において生じるものであり、適切な決定がなされているか全プロセスを監査する必要があります。また、外部環境の変化に対して漫然と、あるいは無視することも大きくなっています。本学会はこのような社会的ニーズにこたえるべく広範な経営監査の理論的枠組みを構築し、経営監査の科学的な研究を探求する研究者を結集し、経営監査学の確立を目指す目的で設立するものです。経営監査学は実践科学であり、多様な領域の科学を総合する総合科学として発展しなければなりません。従って、経営学、会計学、監査論、法学、行政学、心理学、人類学、社会学等の研究者 及び実務家の参加を広く求めたいと思います。

令和元年12月1日

日本経営監査学会発起人一同


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